vol.13 お庭をきれいに見せるコツ~Part1~

いよいよ今年も残す所あと1ヶ月となりました。忙しくはなるけれど、やはり年末にきれいにすっきり掃除して新しい年を迎えたいですよね。すっきりきれいになった庭を眺めると、やはり気持ちもすっきりします。では、隅から隅までチリ一つなくきれいにするかといえば・・・私の答えはNO。庭をすっきりきれいに見せる場合、ちょっとしたコツがあるのです。その名も、「手前しっかり作戦」なんだか怠け者の作戦みたいですが、案外そうでもないんですよ。

宿根草など地上部分のかれた植物はカット、また夏からがんばって花を咲かせてくれていた一年草などが葉を黄色くしてまで残っていたら、それ以上庭では良くなりませんから、根ごと取り除きます。次に雑草を抜き、よく見える手前部分の枯れ葉を取り除き、ゆっくり効く遅効性の肥料を施して、作業終了。木々の茂った庭の奥は多少枯れ葉を残したままにしておくのが、ここで言うポイントでもあり、私流。残った落ち葉は冬場の乾燥や寒さを防ぐマルチングとして一役かってくれます。何よりも、程よい湿り気を確保してくれ、またアブラムシを食べてくれるテントウ虫の越冬場になったりもします。でもよく見える手前部分が枯れ葉まみれだと、なんだか掃除した感じにならないですよね。だから手前の枯れ葉やゴミはしっかり取り除く。冬の乾燥を防ぎたい場合は、チップなどのマルチングをあえて敷いても良いでしょう。お庭スペースの広い家では、コンポストを設置してかき集めた枯れ葉を堆肥にしても良いですね。見た目のきれいさも確保しつつ、自然素材も極力利用する。なかなか賢い方法だと思いませんか?

置き方で印象も随分違います!置き方3パターン

  • 砂利や苔などで構成された日本庭園に枯れ葉が残っていると、あまりきれいには見えません。苔に枯れ葉が覆いかぶさっていると、枯れる原因になるので、そのような庭の場合は綺麗にすべて取り除くのをお勧めします。
  • うどん粉病は菌が枯れ葉などに付着して越冬します。その為、その年にうどん粉病がでた場合については、特にその周りの葉はきれいいに取り除く事をお勧めします。
  • 落ち葉が自然に堆肥になるのは、比較的時間もかかりある程度の枯れ葉の層(厚み)や微生物の活発な活動も必要不可欠です。腐葉土を作りたいと思う人はコンポストを購入して、微生物の活動を活発にする有機質成分も投入した堆肥作りをした方が効率的でお勧めです。

庭の掃除も捉え方次第!?
私が造園会社に勤めていた頃、年末の手入れにお客さんの所へ伺うと、枯れ葉は残らずきれいに掃除してきたものです。特に入社してすぐの頃は、現場の掃除ばかりしていた事を良く思い出します。来た時よりもきれいに見せるくらいチリ一つなく掃除した庭は、凛としてそれはまた美しい景色です。完璧に枯れ葉を取り除いてきれいに掃除するのも、庭の一つの美意識。日本の庭文化の一つなのかも知れませんね。