vol.48 晩夏から秋を彩るセージ

朝晩涼しくなり、木々もほんのり紅葉し始めました。
庭ではピンクの秋明菊が可愛らしく咲き、その傍らには少し黄色味がかってきたフウチソウが風に揺られ、メドーセージ(別名サルビアグァラニチカ)が青紫の花を咲かせ始めました。

晩夏から秋を彩るセージ

~サルビア?セージ?~

夏の終わりから秋にかけて咲くこれらセージやサルビアと呼ばれる植物たち。たくさんの種類を見かけます。
これって同じ植物のようだけど違う植物?って困惑する人もいるかと思いますが、多くがアキギリ属(学名Salviaサルビア)の仲間に属すという事。少し難しい話のようですが、植物は目とか科とか属で分類されています。私たちがセージとかサルビアと呼んでいる多くの植物は、馴染みやすい名前で言うとシソ科の中のアキギリ属に属すという事になるでしょうか?
中にはこれらの仲間から作られた園芸種や、ロシアンセージのようにシソ科ではあるけれど、アキギリ属には入らない植物でセージという名で呼ばれているものもあるので、セージと呼ばれる多くの植物がアキギリ属(学名Salviaサルビア)に属すと理解するのが良いかもしれません。少し難しい話になったので、頭が混乱した人は大体同じ仲間と理解して下さい。

ただ、この科や属などで植物を把握すると比較的色々な植物を把握しやすいので、ちょっと興味ある人は気になる植物の科とか属などを知ると、それもまた楽しいですよ。確かに似ているなと思うものもあれば、中には「えー、この植物とこの植物が同じ科に属するの?」って不思議なくらいな植物もあります。

さて、セージというとハーブの印象がありますが、すべてがすべて、食用だったり精油やアロマテラピーとして使えるとは限りません。お持ちのもしくはこれから購入するセージがどんな効用があるのかなど、使用する前に調べていた方が良いかもしれません。料理に使うので有名なのがコモンセージ(学名salvia Officinalis)なので、これは覚えておきましょう!

今時期小さな黒いポットに入ったセージやサルビアをガーデンショップなどで見かけます。現状が小さいとつい狭い場所や小さく収まる印象で植えてしまいがちですが、これらの多くの品種が大きく生長するので、お庭に植える時にはそれを意識して植えるようにします。中には一年草のもの、多年草、宿根草、低木があり、それがどんな性質なのかを見極めるのも大切。特に大きくなる宿根草、低木になるものは注意が必要です。
お店で気に入った花色や香りの品種に出会ったら、まずはタグを見て生長する大きさをチェックし、植えられるスペースを考えるのがベストです。

今年植えた宿根性のセージ、サルビアは、まだ少し温度がある時期しっかり根をはらせて冬に備え、来春新芽をぐんぐん伸ばして立派な株に生長してくれます。
耐寒性のあるもの、お住まいの地域によって少し防寒する程度で冬を越えるもの、寒い地域で冬を越えるのが難しいものなど耐寒温度も様々。
耐寒性のないものは掘り上げて冬を越すのも一つ、潔く一年草扱いとして季節の寄せ植えに使用するという方法もあります。
生長する大きさの注意も必要ですが、耐寒性も少し気にしてあげると良いでしょう。

バリエーション豊かなセージ、サルビア。秋風に揺られる姿はなかなか良いものですよ。
あなたのお庭にも1株いかがでしょうか?

工夫次第でこんなアレンジも

透き通るようなスカイブルー。アズレア(azure)とは空色という意味だそう。遠目からその青さはまるでデルフィニュームの青のよう。青色好きのガーデナーにはたまらない品種。耐寒温度は-12度とかなりあるので、屋外越冬大丈夫です。何と言ってもシルバーリーフ、ガクの淡い黄緑からうつむき加減に咲く珍しい黒花にドキッとします。耐寒性はあまりないので堀り上げた株を霜の当たらない場所で管理した方が良いでしょう。先日お店で見かけたシックなワインレッドの花色とダークカラーの茎が魅力の岐阜生まれの園芸品種。この大人な雰囲気、シックな秋色の寄せ植えや庭におすすめです。耐寒性は少しないので関西以南は比較的大丈夫ですが、それ以北の場合、冬期株元を腐葉土などでマルチングしてあげると良いでしょう。

大きく茂る宿根性の我が家のメドーセージ。大きく茂りすぎないよう春先に一度丈を切り詰めると、そこまで巨大になりません。また秋花が終わってからすぐにバッサリ根元まで切り詰めたら寒さにやられて弱ってしまった事があるので、それ以降、秋は軽く切り詰める程度にし、春新芽が伸び出す頃に枯れ枝を根元近くまで切るようにしています。皆さんのお庭のセージでも参考にしてみて下さい!

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