vol.43 ハーブのある暮らし

雨上がりの朝、咲き始めたラベンダーがふんわり香り、冬の間寒さに耐えて小さくいじけていたオレガノやレモンバームが勢いよく伸び出し、地面いっぱいに広がった這性のタイムが可愛らしいピンクの花を一面に咲かせています。

我が家ではオーソドックスなハーブを何種類か育てています。
大抵は地植えなので、大きくなりすぎないよう小まめに摘んだり、時には刈り込んだりする程度で手はかかりません。強いて言えば、株が衰えて少し勢いが弱くなってきたなーと思ったら、株分けしたり、挿し木などして新たな株を作るようにします。植えっぱなしのハーブがなんだか元気がないという人は、株分けをおすすめします。

ハーブのある暮らし

日の当たる軒下で長年元気に手も掛けずに育っていたローズゼラニュームと鉢植えのアップルゼラニューム。昨年揃ってだめになってしまったので、今年は新しいセンテッドゼラニュームに挑戦してみようと考え中です。でも、ハチミツやジャムの香りづけとして重宝するローズゼラニュームは、やはり一株必要かなと思っています。

昨年も背丈以上に成長したブロンズフェンネルは、昨年秋にばっさり刈り込んだ株元から、今年も勢い良く新芽が出始めています。
フローレンスフェンネルは太った株もとをサラダなどでいただき、スィートフェンネルは香りが強いので葉や種を料理やティーに使います。そしてこのブロンズ種は、シックな葉色が庭のアクセントになるとして出回っていますが、十分料理にも使えますよ。我が家ではディルの代わりにサーモンのマリネや魚料理に活躍しています。

春に鉢植えしたコリアンダーが花穂をあげ始めたので、今年は種を収穫しようと計画中です。これを乾燥させてミルでパウダー状にしたものは、葉の強烈な香りとはまた別の雰囲気のマイルドな香りのスパイスになり、我が家ではとても重宝しています。

コンパニオンプランツと聞いてブルーベリーの足元に植えたアップルミントとスペアミントは、その他の雑草に負けてスペアミントは消え、アップルミントはちょろちょろ残る程度。ミントの繁殖力は半端ではないので、本来はあまり地植えをするべきではないハーブの一つです。数年は繁茂していましたが、きっとその他の雑草を引き抜く時に一緒に根ごと抜かれて徐々に減ったのだと思います。新たに最近購入したオレンジミントは鉢植え内で行儀良く育っています。

家で少しでもハーブを育てていると、ドライ、フレッシュ共、料理やお茶に重宝するし、花のアレンジや、ポプリとして活用出来るのが魅力です。
季節の花と合わせてブーケにしてお友達宅へ行く時に持って行くととても喜ばれますし、摘んで室内にかけておくだけでもとっても気持ちのよい香りの芳香剤にもなります。葉の収穫も楽しいですが、花もなかなかかわいいですよ。

この季節色々なハーブ苗が出回ります。
さあ、お気に入りを見つけて育ててみるのはいかがでしょうか?

ハーブにまつわる3つの話

数年前に植えたシソから毎年種がこぼれ、今時期色々な所からシソの芽が顔を出します。でも自然交配しているせいかどれも少し赤まじりのものばかり。なので、毎年青シソの苗は結局買い足しているのです。ミントやレモンバームは日が強く当たりすぎる環境では葉が黄色く固くなって美味しく収穫出来ません。なので、我が家ではつる植物や灌木の足元など少し半日陰になるような環境で育てています。レモンバームは2~3年に1回、春先に株分けして良い株を維持しています。ローズマリーが木化している姿をよく見かけます。本当に生長が早く強い植物です。その強靭さを知っているのか、我が家の庭のローズマリーには毎年カマキリが枝の間に卵を産みつけます。立ち性と這い性があるので、庭環境に合わせて選びましょう。生長が早く鉢植えだとすぐに根がいっぱいになってしまうので、地植えがおすすめです。

ハーブの肥料、限られた土の中で育つ鉢植え環境では必要ですが、基本的に地植え環境下では必要ないと教えてくれたのはハーブ苗の生産者さん。逆に肥料を遣り過ぎると軟弱に育ち、香りも弱くなるそうです。我が家では、一年草として購入したバジルやコリアンダーなど植え付けの際には施肥しますが、植えっぱなしの宿根化するスイートマジョラム、セージ、オレガノ、フェンネル、タイムは肥料を施す事はなくとも毎年元気に香りよい葉を提供してくれています。