3月も終わりになれば、庭はもう春の様相。周辺では梅に続き、桃、そして待ちに待った桜が咲き始めます。
私が都内に住んでいた頃は、桜と言えば満開のソメイヨシノの下に敷物を広げて、もしくは桜並木のトンネルを散歩と言った具合に「見上げて楽しむ」のが定番でした。
房総半島のプチ田舎に越してからの楽しみは、山の「上から眺めて楽しむ」山桜が定番です。薄いピンクから濃いめの桃色まで様々なピンクのグラデーションが山のあちこちに現れる様は、本当に見事!毎年近くの山にハイキングに行くのが、この季節の楽しみです。もちろん、水筒に暖かいお茶とお茶うけに桜餅を持って行けば、完璧です。
山桜が終わる頃、落葉樹の新芽が吹き、常緑樹の新芽が吹き、その山の色の変化の様子は、本当に美しい。この春の様子を「山笑う」とは上手く言ったものだといつもそう思います。
さてこの桜、実は美しいだけではないんです。
春蒔き一年草の種袋の裏などには、種の蒔く時期について「桜の散る頃」「八重桜の散る頃」といった表記があります。これらが散る頃の温度が、春蒔き一年草の適正な発芽温度となり、つまりは播種適期となるわけです。
温度計を見ても良いかもしれませんが、まわりにある自然の現象を頼りにするのが一番分かりやすくて的確です。
風の暖かさや強さ、聞こえる虫の声、雲の形、そして花の開花など色々な自然の営みを少し注意深く観察していると、季節の移ろいはもちろん、ガーデニング作業の適期を教えてくれるヒントになります。
さあ、桜の開花間近。今年もいよいよ本格的なガーデニングシーズンが始まります!