vol.31 虫との上手なつきあい方

庭は今が花盛り。昨年の秋に植えたキンギョソウやビオラが最後の見頃を迎え、フレンチラベンダーやオオデマリも例年通りかわいらしい花を咲かせています。しかしよく見ると、かわいらしいお花の影には小さなヤブキリや葉の密集した所にはアワフキムシ、ミニバラの柔らかな新芽にはびっしりのアブラムシと彼らが出す甘い汁を求めてやってきたアリさんたち。花の蜜を求めて飛ぶキアゲハ、葉影にアオバハゴロモ。花にキラッと光るすじの先にはにゅるにゅる動くナメクジなど、庭のあちこちで虫たちもこっそり、時には大胆に活動しています。
虫という言葉に、いやいや私は苦手ですからと渋い顔をしている方、虫の事を少し知る事が、大量の虫との出会いを回避出来る事にもつながります。これら虫の発生によって、何が問題かも見えてきます。

虫との上手なつきあい方

<1> まず虫さんの心地よい空間について考えてみる
虫の心地よい空間なんて、考えただけで気持ちが悪いなんて言わないでください。
じめじめ風通しの悪い環境。枝葉が密集していて気持ちのよい風が通り抜けない状況。これは虫さんにとっては天国。
混んでいる枝などは切り、風が通り光の差す健全な環境を作る事で、虫さんの居心地の悪い環境を目指します。

<2> 植物が健全に育っているか?
植物を甘やかして肥料を多くあげすぎていませんか?特に窒素分の多すぎる環境下では、病害虫が発生しやすいように思います。植物が土壌中の窒素分を吸収し生成したアミノ酸は、虫たちにとっても大変なごちそうです。
適度な肥料は大切ですが、多すぎる肥料は逆に植物を軟弱にし、虫まで呼んでしまうのです。

悪さをする虫たちから植物を守るには、植物が健全に育つための日頃の管理と、そして日々の観察が重要です。
日頃からよく植物を観察していれば、芋虫がやって来る以前の卵の状態で取り除く事だってできるかもしれないし、良い環境を保てば、ぞっとするような虫の大量発生に出会わずにすむかもしれません。虫との上手なつきあい方、それはよく観察をして虫の事を知り未然に防げる工夫をする事と、見つけたら早めに取り除く事につきます。
庭の虫たちがそこに発生するには、それなりに理由があるのです。

我が家の虫さんとのつきあい方3つ

虫は一匹残さず抹殺なんて、正直ありえません。我が家では少しぐらいの食害は大目に見て、たまにはどんな風に大きくなっていくのかなど、観察を楽しんだりすることも。もちろん大量発生する虫や、食べる速度が早く植物の致命傷になるような虫は見つけ次第抹殺です。冬に餌をあげていたせいか、春になっても小鳥さんが多く遊びにやってきます。彼らを観察していると、枝葉に隠れた芋虫を捕獲しているよう。虫たちが運んでくるウイルスや病気は少しやっかいです。放っておくと病班が広がって植物が枯死したり、さらに被害が拡大する事も。葉が変形していたり、病班が現れた葉を見つけたらすぐに取り除く事!これ鉄則です。

以前我が家のヤマボウシにスズメバチが8匹程、毎日のようにやってきて大変困った事があります。でも良く観察すると、葉についたアブラムシの出す甘い汁を舐めている事に気付きました。スズメバチは夕方から夜にかけて、巣に戻るのでその間に内枝を切り風通しを良くした所、アブラムシが減り結果スズメバチも来なくなりました。このように、原因を知る事はとっても重要なのです。